6月11日のNHKクローズアップ現代はLGBTに対する企業などの取り組みを取り上げていた。ホームページの紹介文はこうだ。
<LGBTの人たちは、日本で左利きの人と同じくらいいるといわれている。しかし、男はこう、女はこうといった、社会に根付いた「バイアス」によって、生きづらさを感じている。それをどう取り払い、生きやすい社会を作れるのか?対応に動き始めた日本の企業や学校、先進的な取り組みが進むスウェーデンの幼稚園や介護施設などを取材した。>
確かによく取材しているし、当事者の会社員にも登場してもらって本音の話を聞くことができ、納得できる良い放送だった。だが、ひとつだけどうもなじめない外資系企業の先進的取り組みがあった。
それは、会社内に男女兼用トイレしかないイケアの事例だ。男性は男子トイレ、女性は女子トイレという区別をなくし、誰もが使えるトイレにしたという先進的取り組みと紹介していたが、テレビを見ながら思わず夫婦で顔を見合わせた。
「それって昔の日本の会社じゃないか」
男女兼用が当たり前だった日本の職場は、特に女性の強い要望で別々になった。女性は自分の前も後も男性に同じトイレを使われるのを嫌がった。それは、いまでも変わりないはずだ。
ジェンダーフリーの文化が醸成し、男女別のトイレに違和感を感じるようになってはじめて兼用トイレへの変更がなされるべきであって、企業イメージアップ、優秀な人材の確保などと業績優先の取り組みだとしたら迷惑だ。
今はまだ日本は兼用トイレの方に違和感を感じる社会だ。人口の8%、左ききの比率と同じだけいるとされるLGBTの人たちが堂々とそのことを主張する時代になってきた。年齢が下がるほどLGBTに違和感がないという調査結果もある。
いずれ日本もジェンダーフリーの文化が醸成されるだろう。少々遅れても、そのときを待って兼用トイレに変えていけばいいと思う。

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